PICK UP ARTIST #001"DearChambers"

今20代前半の若手ギターロックシーンの中でも、”モリヤマリョウタ”の存在はかなり特質だ。10代で北海道から上京し活動を始め、前身バンドの解散後に組んだ”Nina lovegood”でガラリと変貌し、たちまち渋谷や下北沢のシーンで台頭するが、昨年、他のメンバーを残した形でモリヤマのみバンドを脱退。字面だけで見るとあまりに無鉄砲に見える彼が新たにバンドを始めるという。”Dear Chembers”について、ニーナ脱退後のエピソードも交えて今後の活動について聞かせてもらった。

自分の中で「こんくらいシンプルでいいんじゃないか」って思うことをやれてる。

●昨年Ninalovegoodを辞めてから1年ほど経ちますが、その間いかがでした?
モリヤマ:弾き語りを始めたんだけど。結局…来ないのね、やっぱり、人が。

●ニーナの頃のお客さんが来てくれないと。
モリヤマ:うん、もちろん来てくれる人はいたけど。だけどあの頃みたいに毎回のライブでちゃんと動員するっていうのはできなかったね。新曲はやっていたけど音源を作ることをしなかったから。

●どうして音源を作らなかったんでしょうか?
モリヤマ:バンドをやるって決めてたから、心の中でだけど。弾き語りで音源を出すってよりは弾き語りで新しいバンドの曲をやってたいな。っていう考えがあって。

●弾き語りというスタイルに魅力を感じた訳ではないというか?
モリヤマ:そう。音楽を続けているっていう姿を見せたかったし。弾き語りをちゃんとやってる人と共演させてもらえる機会で、「あ、俺この人たちみたいに弾き語りに本気になれないな」って思って、それは失礼だと思ったから。”俺はバンドやるために弾き語りやってるんで”っていう風に言った方が、見てくれる人も一緒にやる人もね。そういう意味で捉えてくれるから。弾き語りじゃ絶対勝てない、それは本当に思ってるから。すごいもん。

●確かにそうですね。
モリヤマ:うん、重きを置いてるてる部分が多分違うから。バンドのイベントの日に弾き語りで噛み付いていいライブできたりしてたから。やっぱ自分はこっちかな…っていう気持ちはある。

●活動としては1年ほど弾き語りをやっていてどこか自分自身変化はありました?
モリヤマ:弾き語りは自分の思ってることを全部言える。言えるし、BPMみたいなのがない訳じゃん。だから自分のテンポで、「ここはグッと引けるな」とかサビはちょっとグッと遅くしたりとか。バンドで鳴らすと、ギター弾かなきゃいけないしアンサンブルやらなきゃいけない。そういうことにけっこう縛られたりもするし、歌が重要じゃなくなる部分が出てくるんだよね。今まで、バンドが鳴ってて「ウワー!」って叫んでいればいいやと思っていたんだけれど、弾き語りやって、すごい歌好きになったもん。

●”歌”に対しての向き合い方が変わったというか。
モリヤマ:そうだねー、もともと好きだったけど、ちょっとオナニー的だったの。このイントロがないとこの歌成立しないよなとかバンド時代はやっぱり思ってたんだけど、このメロディーと歌詞があれば響くなあ、とか思った。

●それも踏まえた上で、新バンドの方向性は歌に重きを置いたバンドに。
モリヤマ:サウンド自体はメンバーみんながやりたい事なんだけど。歌はそうね、歌は自分。モリヤマリョウタの歌をメインに置いてるかな。良い意味でも悪い意味でも俺のバンドだからっていうのは前のメンバーには言えなかったし、伝わらないところであったり、うまくいかなかったんだけど。今は本当に自分がやりたい事とか、自分の中で「こんくらいシンプルでいいんじゃないか」って思うことをやれてるかなあ。シンプルになりたかったから。シンプルが一番、弾き語りも含めてだけど、シンプルが一番いいって思えたから。

●弾き語りでやっていた曲も含めて、待望の初音源は初ライブから販売ということでしたよね。
モリヤマ:うん。500円で、タイトルが"come back to me"なの。私のところに戻っておいでだから、それはもうSELFISH(※上京時組んでいたバンド)込みだから。自分が自分に戻って来た感覚の音源を作れました。っていう意味を込めて。

●確かに「SELFISHに戻ったのかな?」っていう印象はあります。
やっぱその自分のやりたかったのはもっとこう…シンプルだったなってことで、SELFISHの曲とかが出て来たりしたから。まあ戻ったね! 相当戻ってるよ!

●ちなみに”Dear Chambers”っていうバンド名にはどんな意味がこもっているんでしょうか?
モリヤマ:もともとねえ、stand by meって曲があって。俺に。それは映画からとったわけ。それで地元を離れる時に、俺が書いた曲なんだけど10〜20年くらいの付き合いの友達がいて、そいつらと離れるのがすごい嫌で。毎晩会ってたし、みんな音楽好きで。今でも連絡とるんだけど、どんなに離れてても心はいつもそばにいますよ、寂しくなんかないよ、みたいな曲なんだけど。それがDear Chambers始める時にすごい響いてて。言ったら昔のメンバーも今も友達だし、俺がどんな歌を歌おうが、結局支えられてる友達のために歌えてるから。そのスタンドバイミーという映画の主人公が「弁護士のクリストファー・チェンバーズが殺されました」というニュースを聞いて、昔のことを思い出してタイプライターで書くんだよね。そのクリストファー・チェンバーズからとってるの。Dear Chambers。

●小洒落てますね(笑)。
モリヤマ:こじゃれてないよ(笑)! その窩(むろ)ってわかる? 地下とかに野菜を保存したりする場所があるんだけど。その窩から、地下からの、っていう意味があるから。もっかいその、下から這い上がっていくっていう意味もある。けっこう考えたよ!

●まさにバンドマンっぽいですね。
モリヤマ:あとは、チェンバーズっていうのがすげえ良かったの。最初はファッキングマンって名前だったんだけど(笑)。

誰かの一番にはなりたいな。それになれないからまだ自分は地下にいるんじゃないかなって思うし。

●全く新しいメンバーになりましたが、メンバー2人とはもともと飲み友達で~みたいなことは噂で聞いたのですが。

モリヤマ:そう、飲み友達だったの。三人。打ち上げでもガンガン三人で飲んでるし、普通にも三人で飲む。ニーナやってる時にコピバンやりたくなって、俺。その衝動で音楽鳴らしたいっていうのがあって。それでみたいな感じで。「バンドやる?」って言って、「じゃあコピーバンドやってみよう」って。エルレ(ELLEGARDEN)やった日に弾き語りで歌ってた”City”っていう曲をなぜか俺がスタジオに持って来て。やってみたらめっちゃ良くて。

●もともとライブとかじゃなくて、コピーやろうよみたいな感じで。
モリヤマ:そうそうそう。で俺がバンド辞めるってなって。ベースのペレも辞めるってなって。で、(俺と)やる?って言ってくれて。ドラムもバンド辞めるってなってやってみた。曲の中でさ、こう…一拍とか合わなかったりすることとかあるじゃん、最初不安だし。でも最後の”バーン!”が異常にキマってて。「あ、これ良いねえ」みたいになって。バンドやろうよ、っていう話にはなったかな。
もともとだから、素直に自分のダメなとこを話せる人たちだったから。要はメンバーだとさ、ちょっと隠すところとかあるじゃん? 言えなかったりする事情とかさ。そういうのも全部話せる友達だったからさ。それをちゃんと続けようっていう気持ちがみんなにあるから。だから月1で飲みに行ったりとか、バンドの話とか一切なしで飲もうっていう日を作ってる。”友達でいなきゃいけない”から。そう言う点では今うまくいってるんじゃないかな。

●初ライブでSOLD OUTできたのはやっぱり、”ニーナの森山の新バンド”っていうことがかなり大きいと思うのですが、他のメンバー2人はそれに対してどういったモチベーションなのでしょう。モリヤマリョウタっていう一本柱に寄り添っていく?
モリヤマ:あーとねえ。嫌だとは言ってないよ。でも、ただ今は俺が強いから言われると思うんだけど。そこで2人が「あいつすごい強いしああいう感じで歌ってくれるからやれるんです。」って言ってくれるんだったら、全然いいと思う。なんか、「あいつのバンドじゃないっすよ」とだけ言うような人ではないと思ってる。それはバンドに対してマイナスになることだからいけないと思うし、けど逆に食い下がる必要はないと思ってるから。だから逆にそのなんかこう、ウジウジ言ってくるメンバーじゃなかったから良かったって思ってるけど。

●”ぼくらの遊び場”以降の今後の活動はどういったものにしていきたいですか? 考えている事や、やりたい事等のイメージがあれば。
モリヤマ:んーとねえ。例えば、なんかさ、今この歳から始めるってなるとさ、やっぱ売れたい気持ちはあるわけじゃん。あるけど”ぼくらの遊び場” っていうイベントを一発目に打つんだけど、大きくするつもりなくて。みんなが楽しめて酒飲んで、音楽聴いて今日いいイベントだったねって思える日を組めたらいいし、それがでかくなる必要がないから、小さくそのイベントはやっていたいの。もし俺らが大きくなっても、俺が好きだったライブハウスを俺たちのイベントで開きたい気持ちはある。その気持ちに対して集まってくれるバンドがけっこう居るんだよね。今そういうのってないから。そこは期待してるかなあ…。いろんなバンドに助けてもらってるからさ、めちゃめちゃ!。めっちゃ助けてもらってるから。それは俺がなんかしてきたのかもしれないし、俺の付き合いの形なのかもしれないけど。なんか、そのイベントは大切にしたい。ちっちゃいところで…やる。売れたら、二日前とかに告知したいぐらい。好きな人だけ来て欲しい。

●それこそ、助けてもらったバンドの中に売れてる仲間がたくさんいると思いますが、Dear Chambersもそこに追いつきたいという気持ちが今もあるんでしょうか?
モリヤマ:うん。追いつくっていうか。自信持って自分たちが呼んだ時に出てくれる、とこまではいきたいかなあ。

●お客さんも、仲間も待ってると思います。
モリヤマ:うん、あいつらがなんで売れたかって色々考えたら、誰かの一番になってるんだよね。それになれないからまだ自分は地下にいるんじゃないかなって思うし。誰かの一番にはなりたいな、うん。俺が今新しくバンドやった時に新しいバンドについて来たお客さんって、確実に今までのお客さんの層と違う。そこで俺のすごい仲良い3バンドがいるのよ。それで一緒にいつかツアー回ろうぜって話をしているんだけど、俺はその3バンド以外の部分(の客層)でできたら、俺ら頑張って来たんだなあって思えるのかなあとは思える。一緒にやっていける自信にもなるし。やりたいね。

●最後に初ライブの見どころとか聞いてみてもいいですか(笑)?
モリヤマ:今回初ライブで10曲やるんだけど音源とライブで、全然違う気がする。”東京”って曲ができて、一番最後にやるんだけれど、それがめっちゃいい。歌詞が成功したと思ってる。東京に来てからの7年間を歌ってて。それこそ、この曲でだめなら本当にだめだよ。そこまで有名になるかはとりあえずわかんないけど、10人いたら1人は絶対ウケると思うから。それを増やしていけばいいのかなって今思ってる。楽なことなんてないしな。10人いて10人ウケる音楽じゃないから、全然。でもそれを10人のうちの2人でも1人にでも向かって歌ってるから。そういうところはやっぱ好きだね。そういう音楽が好きだったから。

●メッセージが詰まってる曲なんですね。
モリヤマ:詰まってるよー、一年間修行してきてるしね(笑)。



DearChambers (ディアチャンバーズ)

Vo.Gtモリヤマリョウタ
Ba.秋吉ペレ
Dr.しかぎしょうた

PROFILE:
モリヤマリョウタの前バンド脱退に伴い、以前から交流のあったしかぎしょうた、秋吉ペレ3名により結成。 2017年12月10日初の自主企画よりライブ活動開始。 東京都内を中心に活動している。
weezer、THE GET UP KIDS、OVER ARM THROW、銀杏BOYS等に影響を受け、ギターロック メロディックパンク パワーポップ エモ等の要素を取り入れつつ、スリーピースの特性を活かした攻撃的なサウンドにのせるノスタルジーかつセンチメンタルな世界観を持つ歌詞が多くの観客の心を動かす。
2017/10/〜 Dear Chambers結成。楽曲制作開始。
2017/12/10 自主企画 新宿Marble「僕らの遊び場vol.1」w/KAKASHI、ハルカミライ 200人動員 (チケットソールドアウト)
同日、初の自主制作音源「Come back to me」販売開始。

LIVE:
2月11日 群馬前橋DYVER  2月17日 長野松本a.C hall  2月24日 新宿Marble(自主企画)   3月25日 新宿LOFT&BAR

DearChambersオフィシャルサイト

CLUB251 OFFICIAL WEB SITE

 
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